毎日新聞 ヤフーニュース

前置きが長くなりましたが、毎日新聞で記者をしている待鳥航志(まちどり・かずし)と申します。2015年に入社し、高松(香川県)、姫路(兵庫県)の2支局を経て2019年春から東京本社の「統合デジタル取材センター」に所属しています。紙面ではなくデジタル向けの記事を書くためのこの部署で、一番若手だった私が、プラットフォームメディアで編集や編成のノウハウを学ぶために出向することになったわけです。

今回は、昨年10月から1年間Yahoo!ニュース個人編集部に出向した毎日新聞の記者・待鳥航志さんに、この1年間を振り返ってもらいます。

「なんかミントの香り、しない?」。2019年10月から1年間の出向のため、事前のあいさつでヤフーのオフィスに訪れたとき、毎日新聞の上司と驚いたのはヤフー社内のにおいでした。新聞社の紙やインク、エアコンのカビっぽいにおいに慣れた鼻に、ヤフーの来客用フロアを包む清涼系の香りは鮮烈でした。においだけでなく、新聞社とIT企業の職場環境はまるで違います。ゲラや取材ノート、ファクスで送られてくるプレスリリース、書籍など、紙だらけの職場の風景が当たり前だったのに、ヤフーのオフィスに並ぶのは画面ばかりで紙がない。別世界に来てしまった。私の1年間のヤフー出向は、職場環境のギャップに対する驚きから始まりました。