

名古屋・熱田神宮から伊勢神宮までの106.8kmを駆け抜ける全日本大学駅伝。全国各地の選考会を勝ち抜いた猛者が集う“真の日本一”決定戦が6日(日)に号砲を告げます。
東海地方からは、6年連続で皇學館大学が出場。そして、11月1日に開園した「ジブリパーク」からほど近い場所にある大学も伊勢路を走ります。
トトロの世界を彷彿とさせる大自然の中、汗を流す愛知工業大学。3大会ぶりの出場となります。強さの秘密はトラックの周りにある、小さな丘。
「芝で不整地を作ることによって、見えない筋肉を少しずつ作っていた方が競技力の向上に繋がるかなって」(愛知工業大 奥野佳宏監督)
実はその1つ、監督の手作りなんです。
「少しずつ少しずつ(土を)積んでいっています。こういうのを繰り返します」(奥野佳宏監督)
土でできたトラック。生えてきた雑草も監督が手入れしています。
学生寮で新型コロナのクラスター発生 去年の選考会は棄権
部員18人全員が東海地方出身者。地元・伊勢路を走ることは、1年で最大の目標です。
ところが去年。選考会に愛工大の姿はありませんでした。
「寮内でコロナが出てしまって、このままあまり練習積めず出場してしまうのは、大会運営にも迷惑をかけてしまう可能性があったので」(愛知工業大 渡邉大誠主将 4年)
彼らが生活する学生寮で新型コロナのクラスターが発生。部内に感染者はいなかったものの棄権せざるを得ませんでした。
「1年の中でも本当に重要な大会なので、この1年何をすればいいのかなって」(深谷涼太選手 4年)
「今まで練習積んできたのに、ここで発揮できないっていうのは、すごく悔しかったです」(苅谷真之介選手 3年)
最終的に欠場を決めたのは、当時から主将を務める4年生の渡邉大誠選手でした。
「『予選会を欠場するという判断をしようと思います』と言ってから、空気が冷えるというか、みんなが黙ってしまったみたいな」(渡邉大誠主将)
「この1年何をすれば…」ばらばらになりかけたチームを支えた主将
目標を見失い、一度ばらばらになりかけたチーム。
それでも、再スタートを切れたのは、渡邉主将の献身的な姿があったからです。
「ナベさん(渡邉主将)はチーム思い」(吉田椋哉選手 2年)
「チームを引っ張っていったり、練習メニューを作ってくれたり、陰で一番支えているのは、ナベ先輩」(苅谷真之介選手 3年)
「みんなで全日本に出ようっていう思いを、言葉だけじゃなく姿で示しているところを見ると、成長したなって」(奥野佳宏監督)
東海地区選考会 渡邉主将がみせた走り「僕が決める」
迎えた全日本の東海地区選考会(6月)。去年立つことすら叶わなかった舞台に帰ってきました。
半分の2組を終えた時点で本戦進出圏内の2位。しかし、3位との差はわずか0.6秒でした。
大混戦の中、3組に出場したのが、チームを引っ張ってきた渡邉主将。序盤は、先頭集団の後方で様子を伺います。
「キャプテンとしてチームを支えられる走りができればいいなと思っていた」(渡邉大誠主将)
レース終盤。渡邉主将が仕掛けます。
「全日本出場を僕が決めるって思いで走りました」(渡邉大誠主将)
3組トップでゴール。3位との差を広げ、本大会出場に導きました。
「みんなはめっちゃ喜んでいたけど、僕個人としてはすごく安心したのが第一です」(渡邉大誠主将)
悔しさを胸にこの1年を過ごしてきた選手たち。待ちに待った伊勢路の舞台に挑みます。
「しっかり自分達らしさを出しつつ、感謝の気持ちを持って伊勢路を駆け抜けたいです」(渡邉大誠主将)
(11月3日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』じもスポ!コーナーより)
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